労働衛生は仕組みの理解が点数に直結する科目です。「なぜそうなるか」を理解した上で数値を覚えると、応用問題にも対応できます。


WBGTの計算式と係数

環境 計算式
屋外(日射あり) WBGT = 0.7×湿球温度 + 0.2×黒球温度 + 0.1×乾球温度
屋内・日陰 WBGT = 0.7×湿球温度 + 0.3×黒球温度

湿球温度の係数が0.7と最大なのは、湿度が熱中症リスクに最も大きく影響するためです。

温度の種類 測定内容 反映するもの
湿球温度 濡れガーゼで包んだ温度計 湿度・蒸発冷却の効き方
黒球温度 黒い球体内部の温度 輻射熱
乾球温度 通常の気温 気温そのもの

局所排気装置の構成(順番が重要)

制気口(フード) → ダクト → 空気清浄装置(除じん等) → 排風機 → 排出口

排風機は空気清浄装置の後に配置します。試験で逆順を正しいと誤認させる問題が出やすいです。

フードの形式 捕集効率 特徴
囲い型 最高 発生源を囲む・必要風量が少ない
外付け型(側方) 中程度 発生源の横から吸引
外付け型(上方) 中程度(高い制御風速が必要) 上昇気流のある場合に使用

作業環境測定:A測定・B測定の違い

測定 目的 測定点
A測定 作業場全体の平均的濃度を把握 6点以上(作業場全体に設定)
B測定 最高濃度地点(発散源最近傍)を把握 最高濃度が予想される1地点

B測定の結果が管理濃度を超えた場合、A測定の結果に関わらず第3管理区分になります。

管理区分

管理区分 状態 事業者の義務
第1管理区分 良好 現状維持
第2管理区分 改善が望ましい 改善努力
第3管理区分 基準超え 直ちに改善・保護具使用義務・掲示

騒音の数値基準

基準 数値
作業環境測定が必要な基準 等価騒音レベル85dB以上
測定高さ 床上1.2〜1.5m
測定頻度 6ヶ月以内ごとに1回
点音源の距離減衰 距離が2倍になると約6dB低下

A特性は人の聴覚特性に合わせた重みづけで、騒音評価に使います。


保護具の使い分け

状況 使うべき保護具
粉じん・ヒューム 防じんマスク
有害ガス・蒸気(有機溶剤等) 防毒マスク(吸収缶の種類に注意)
酸素欠乏・高濃度ガス・緊急時 送気マスクまたは空気呼吸器
騒音 耳栓・耳当て(イヤーマフ)

防じんマスクはガスに効果なし、防毒マスクは粉じん単独には不十分。対象物質に合った保護具の選定が重要です。


リスクアセスメントの優先順位

優先順位 対策の種類 具体例
1位(最優先) 危険有害物の除去・代替 有害溶剤を毒性の低い物に変える
2位 工学的対策 局所排気装置の設置・密閉化
3位 管理的対策 作業手順書の整備・教育
4位(最後の手段) 個人用保護具 防毒マスク・保護手袋

保護具だけに頼る対策は「最後の手段」であり、工学的対策を優先することが法令上の原則です。


捕集分析法 vs 直接読み取り式

項目 捕集分析法 直接読み取り式
結果を得るまで 後日(分析後) 即時
精度 高い 中程度
測定できる物質 幅広い 機器ごとに限定
流量校正 測定前に必須 不要(機器による)

捕集分析法では流量校正を最初に行うことが鉄則です。これを後回しにすると濃度計算に誤差が生じます。

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