「第一種と第二種、自分はどちらを受けるべきか」は衛生管理者試験を検討する上で最初に直面する疑問です。結論から言うと、職場の業種によってどちらが必要かが法令で決まっています


一言で言うと

第一種衛生管理者 第二種衛生管理者
対応できる業種 全業種 有害業務のない業種のみ
試験科目 5区分(有害業務含む) 3科目(有害業務なし)
問題数 44問 30問
試験時間 3時間 3時間
合格率(2024年度) 46.3% 49.8%
難易度 やや難しい 比較的易しい
勉強時間の目安 約100時間 約60時間

業種別:第一種・第二種どちらが必要か

第二種衛生管理者で足りる業種

業種分類 具体例
情報通信業 IT企業・ソフトウェア会社・通信会社
金融業・保険業 銀行・証券会社・保険会社
不動産業 不動産仲介・管理会社
卸売業・小売業(一部) スーパー・百貨店・一般小売店
サービス業 コンサルティング・広告代理店
宿泊業(旅館以外) ホテルチェーン等
教育・学習支援業 学校法人・塾・予備校

第一種衛生管理者が必要な業種

業種分類 具体例
製造業 食品・化学・電気機器・自動車メーカー
建設業 建設会社・工事業者
農林水産業 農業・林業・漁業
鉱業 採掘・採石業
電気・ガス・熱供給・水道業 電力会社・ガス会社
運送業 物流・運送会社
医療業 病院・クリニック
清掃業 ビル清掃・廃棄物処理
自動車整備業 整備工場・ディーラー

判断に迷ったら:自社の労働安全衛生規則上の業種区分を人事担当者や労働基準監督署に確認しましょう。業種の区分は事業内容ではなく主たる事業の業種コードで決まります。


試験科目の違い

第二種衛生管理者(3科目・30問)

科目 問題数 配点
労働衛生(有害業務に係るものを除く) 10問 80点
関係法令(有害業務に係るものを除く) 10問 80点
労働生理 10問 80点
合計 30問 240点

第一種衛生管理者(5区分・44問)

科目 問題数 配点
労働衛生(有害業務) 10問 80点
労働衛生(有害業務以外) 7問 56点
関係法令(有害業務) 10問 80点
関係法令(有害業務以外) 7問 56点
労働生理 10問 80点
合計 44問 352点

第一種は第二種の内容+有害業務(有機溶剤・特定化学物質・放射線・騒音等)に関する問題が加わります。


どちらを受けるべきか

ケース別の判断

ケース①:現職の職場が「第二種で足りる業種」
→ 第二種を取得すれば十分。勉強量も少なく、取得後すぐに職場で活用できます。

ケース②:現職が製造業・建設業など「第一種が必要な業種」
→ 第一種を受験するしかありません。第二種を取っても衛生管理者としての選任はできません。

ケース③:転職・キャリアアップのために取りたい
第一種の取得を推奨します。第一種は全業種で使えるため、転職先の業種に制限がありません。第二種だと製造業・建設業等への転職時に役立ちません。

ケース④:会社から「衛生管理者の資格を取るよう」言われた
上司または人事に「第一種か第二種か」を確認してから申し込むのが確実です。業種によって必要な区分が違うため、自己判断で第二種を取ったが会社の業種は第一種が必要だったというケースがあります。


第二種から第一種に「ステップアップ」できる

第二種衛生管理者免許を持っている人が第一種を受験する場合、有害業務に係るもの以外の科目が免除されます。

通常の第一種受験 第二種保持者が第一種受験
5区分・44問 2区分のみ(有害業務関係の20問のみ)

まず第二種を取ってから、必要になったときに差分だけで第一種を取得するというキャリアパスも効率的です。


合格率と難易度の比較

年度 第一種合格率 第二種合格率
2024年度(令和6年) 46.3% 49.8%
2022年度(令和4年) 45.8% 51.4%
過去5年平均 約45% 約52%

第二種の方が5〜10ポイント高い合格率ですが、難問が少ないというより出題範囲が狭いため対策がしやすいというのが主な理由です。試験問題の難易度自体に大きな差はありません。


まとめ

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